「大学は意味がない」
「大学に行くなんて時間のムダ」
一部の起業家やインフルエンサーが時々そんな意見をもらしているが、大学は卒業しておくべきである。なぜなら、「非大卒よりも大卒の方が幸福度が高い傾向にある」という調査結果がでているからだ。
非大卒より大卒の方が、幸福度が高い
橘玲著の「上級国民/下級国民」という著書では、非大卒と大卒を比べた場合、総じて大卒の方が、幸福度が高いと述べている。
「非大卒より大卒の方がポジティブ感情が高い」という傾向がはっきりしています。
若年ワーキングプア、正規・非正規格差、勝ち組/負け組、上流/下流、子どもの貧困、さらに結婚できない若者、マイルドヤンキー、地方にこもる若者、地方消滅、次々に見いだされる現代日本の格差現象の正体は、実はすべて「大卒学歴の有所有/非所有」なのだ
引用:上級国民/下級国民 橘玲
「大卒は非大卒よりも幸福度が高い傾向がある」というのは前述の通り大規模な社会調査によって現れた結果。

大卒か非大卒か、男性か女性か、壮年か若年かで対象者を8つのカテゴリーに分類し、人生に対する捉え方を調査している。上の画像の「ポジティブ感情」とは、簡単にいえば幸福度のことです。
上の表からわかるのは、非大卒よりも大卒の方がポジティブ感情が高いということだ。つまり、大卒の方が幸福度が高いということ。
「なぜ大卒の方が幸福度が高くなる傾向があるのか?」については解説されていなかったが、察するに、大卒の方が給与が高い仕事に就ける可能性が高くなり、幸福度も高くなるのだろう。
大卒は、給与が高い仕事に就ける可能性が高くなる
大卒と非大卒を比べると、大卒の方が年収が高いという結果がある。厚生労働省の調査によると、男性の場合は非大卒よりも大卒の方が100万円近く平均年収が高かったそうだ。女性の場合は80万円の差。
- 高卒男性の平均年収=288万1,000円
- 大学・大学院卒男性の平均年収=399万7,000円
高卒男性の平均年収は288万1,000円で、一方、大学・大学院卒男性の平均年収は399万7,000円です。
引用:高卒と大卒ではどれくらい年収に差がでる?
高卒と大卒では、およそ110万円の差になります。高卒女性の平均年収は208万3,000円で、大学・大学院卒女性の平均年収は288万7,000円です。
ちなみに生涯年収の差は以下の通り。
- 高卒男性の生涯賃金:2億670万円
- 大学・大学院卒男性の生涯賃金:2億6,630万円
生涯年収にすると、大卒と非大卒で6000万の差。
なぜ、高卒よりも大卒の方が年収が高い傾向にあるのか?
それは一般的に高卒よりも大卒の方が優秀であるというイメージがあり、高い給与で就職できる可能性が高いからだ。
※参考:大卒の給料が高卒より高い理由 (塚崎公義 大学教授)
お金はあった方がいい
「高卒よりも大卒の方が生涯年収が高いのはわかった」「でも、お金があれば幸せになれるとは限らないでしょ?」
そんな意見もあるだろう。たしかにお金があっても不幸な人はたくさんいる。
しかし、考えてみてほしい。貧乏で不幸な生活と、裕福で不幸な生活どっちいいか? どうせだったら裕福で不幸な生活がいいに決まっている。金はないよりあったほうがいい、当然だ。
それにお金は不幸を避ける道具にもなる。お金に困っていると、嫌な仕事、ツライ仕事を辞めることもできない。お金がないと、時間に余裕がなくなり心から余裕が消える。 また、お金がないと物事を諦める機会も多くなり 、自己肯定感が削がれていく。
お金があれば幸せになれるとは限らないが、お金がないよりあった方がいい。
これは紛れもない事実。オワコンの人生を歩みたくないのであれば、まずはお金に困らない人生を掴むことを目標にするべきだ。心に余裕を持つ方法は、お金に余裕ができてからでも十分に考えられる。
大学にいく意味は幸福度が高くなるから
最後に要点をまとめる。
「大学なんて意味がない」「大学なんて時間のムダ」「非大卒で金持ちになっている人、幸せな生活を送っている人はたくさんいる」という意見があるが、鵜呑みにしてはいけない。
なぜならそれは一部のスーパーマンに限った話だからだ。「大学なんて意味がない」といっているのは、一部の天才が自分の経験則で語っているにすぎません。
あなたは天才なのか? 天才ではないのなら大学にはいくべきだ。大卒の方が、幸福度が上がるという結果がでているのだから。
それでもまだ、「本当に大学に行った方がいいの?」という疑問を持っている方は、以下の著書を読んでみてほしい。
大卒と非大卒の幸福度の違いについて、データと用いて詳しく解説してくれている。ただし、奨学金という借金をしてまでいくべきかどうかについては、正直わからない。大卒になれば、奨学金を返済してもお釣りがくるくらいの稼ぎを得られる可能性はある。
一方で、奨学金の返済に追われて人生が台無しになってしまう人もいる。「どんな状況であっても大学に進学すべきである」などと無責任なことはいえない。